構造化データ
構造化データは、検索結果に更なる不可情報(リッチスニペット)を表示するために役立つページ内の意味付け方法です。
構造化データとは
セマンティック・ウェブ
セマンティック(semantic)とは直訳すると「意味の」「意味論の」と訳されます。セマンティック・ウェブとは、Webコンテンツに意味付けする事です。
従来HTMLはブラウザーなどの閲覧環境でどの様にコンテンツを表現するかをW3Cなどで定義し各Webブラウザーなどはその概念に対応する表現を具現化してきました。
従来のWebに新たな概念とひてページの意味付け、コンテンツの見た目にはなんの効果もない、新たな定義方法を用いたWebサイトに用いるデータを構造化データと読んでいます。
この様な意味付けをしたWebの事をセマンティック・ウェブを言います。
セマンティックの概念
ページに意味付けを行うために、従来のHTMLのようにタグに書かれた文字だけで意味を理解するのは流石のGoogleロボットでも大変です。そこで、新たな意味付けのための手法を用いることで、HTMLに意味付けをおこなうWebの事をセマンティック・ウェブと定めています。
そこでボキャブラリーとシンタックスという意味付けに用いる2つの各省要素が有ります。
ボキャブラリー
ボキャブラリーは、意味の対象となる要素(フィールド・キーとか)のことです。
Googleでは、以下の二種を採用していましたが、「パン屑の構造化データで、2021 年 1 月 29 日以降、data-vocabulary.org マークアップは Google のリッチリザルト機能でサポートされなくなります。」なのでschema.orgだけでも知っておけば大丈夫です。
- schema.org
- Data-Vocabulary.org
schema.orgは、構造化データのためにどのような要素を用いる事が最適化をW3CやGoogle、Microsoftなどの複数の企業も参加し、ボキャブラリーを定義している団体です。
定義されている要素は膨大で、要素ごとに相関関係が有ったり、組み込まれたり、複雑な使われ方をします。
シンタックス
みんなが共通の意味付けするための要素を体系化したものだとすれば、シンタックスはマークアップの方法・仕様の事です。
Googleが認識してくれるのは以下の3つです。
シンタックス | 使い方 |
---|---|
Microdata | HTMLのタグにmicrodataの「属性」を埋め込み実装します。 |
RDFa | RDFaもmicrodata同様HTMLのタグの属性で実装します。 |
JSON-LD | HTML内にボキャブラリに基づく「script」を埋め込み用います。 |
構造化データをページに組み込むには、いろいろな方法が有りますが、原則はボキャブラリを定義するシンタックスに準拠した方法でなければロボットは理解してくれません。
Googleは、シンタックスの中でも、JSON-LDを推奨しています。現時点でテストツールなどでMicrodataでも問題なく読み取ってくれます。しかしHTML事態が複雑になったり、JSON-LDよりDIVなどの記述が増え、生成コストは高くなるかもしれません。
リッチスニペットに使われる
構造化データは、通常検索結果に表示されるdescription文字列(スニペット)をよりリッチな内容のリッチスニペットを付加した表示してもらうための手法です。
従来、Googleのロボットがサイト内のリンクなどでニーズの高いページの検索結果に付加していましたが、構造化データはこのリッチスニペットをサイト公開者が意図してページ内容の意味付けし、リッチスニペット化してもらうための手法のです。
リッチスニペットは、Googleが利便性などを考慮した様々なものが有ります。構造化データでマークアップすることでGoogleに積極的に働きかけるための手法だと考えてください。
また、構造化データを使うことでSEO効果を期待されるかもしれませんが、直接的にSEO効果が有るわけではありません。あくまで、検索インデックスに対する手法だと考えてください。ただしインデックス登録されることは確実にSEOに効果をもたらします。
なぜ構造化データなのか
検索結果のユーザーエクスペリエンス
少し前の事ですが、Yahooの検索クロールををGoogleのロボットが行うようになりました。検索シェア上位2社が統合したんです。
現時点でGoogleは独自のロボットで対応するBingを大きく引き離し、絶対多数のシェアを獲得しました。
Googleは、シェアの獲得に甘んじることなく更なる価値を求めて日々取り組んでいます。その代表的なコンセプトがユーザーエクスペリエンス(UX)なんです。
モバイルファーストや、構造化データを生かしたリッチスニペットもUXが基本として存在します。
当社でも、検索独り勝ちのGoogleの更なるUX追求の姿勢にともなう様々な要件をコンセプトに織り込んでいます。社内ではGoogle最適化並びに親和性向上として最優先事項として考えています。
Google親和性追求
Googleとの親和性追求を行うことが総合的なSEOにつながり、自社のサイトコンテンツを多くの方々に知って頂けると考えるからです。
モバイルファーストの進む中、検索ユーザーに可能な限り的確な情報を伝えることは、サイトを公開する側も同じ思いのはずです。もうずいぶん前ですが、Sitemapの登録なども、現在まで継続的に利用され、多くのサイトで採用し、もはや必須要件となっています。構造化データも、インデックス登録に役立つためには、ぜひ活用すべきだと考えています。
サイト目的による違い
例えばレシピサイトは、検索結果で目的のレシピであるか判断するために独自のリッチスニペットによる検索結果がよく表示されます。
また、書籍情報や、商品情報などECに関連するページ等も、専用のリッチスニペットで表示されます。
このように、サイトの目的により、対象となる構造化データのマークアップ手法が異なり、結果表示されるリッチスニペットも異なる方式で表示されます。
ですから、自サイトの目的に応じた構造化データを埋め込み配信することは、検索ユーザーに取って効率よく目的のサイトを見つけるために役立ちます。
まさにユーザーエクスペリエンスのための手法と言えます。
構造化データを採用すると
検索インデックス
Googleは、Webサイトの新しいページや更新されたページをクローラーで巡回し取得します。Googleのロボットの事です。
クロールされるための方法もいくつか用意されています。サイトマップと呼ばれるXMLなどの形式のファイルにサイト内のページ情報を公開し、GoogleSearchConsoleなどに登録すれば、ロボットがクロールに来ます。
この後、Googleはユーザー デマンドや品質チェックなどのアルゴリズムでインデックスと呼ばれる検索エンジンのデータベースに登録されます。
インデックス登録されるとSEO的に効果もあります。
Googleは、より効果的なインデックス登録に、構造化データが有効であると明記しています。
SEOのためのページの差別化には構造化データを持たせることが有効な方法だと考えるべきです。
リッチスニペットへの反映
検索結果でリッチスニペットで表示されることも、サイトユーザーにとっても有効なためGoogleは積極的に推進しています。
リッチスニペットに対する、構造化データの開設もGoogle 検索セントラル検索での見え方を変更するで構造化データの使用を詳しく解説しています。
以下に現時点で公開されているリッチスニペットの一覧を掲載します。
Article(記事)
サムネイルより大きな画像を添えた見出しテキストなど、トップニュース カルーセルやリッチリザルトの機能で表示されるニュース、スポーツ、ブログ記事。
Book(書籍)
検索で見つけた書籍を検索結果から直接購入できる書籍アクション。
BreadcrumbList(パンくずリスト)
そのページがサイト階層内のどこに位置するかを示すリスト。
Course(カルーセル)
1 つのサイトからの情報を順次リストまたはギャラリーの形式で表示するリッチリザルト。この機能は、レシピ、コース、レストラン、映画のいずれかの機能と組み合わせる必要があります。
Course(コース)
プロバイダ固有のリストに表示される教育コース。コースには、コースのタイトル、プロバイダ、簡単な説明を掲載できます。
Dataset(データセット)
Google データセット検索で表示される大規模なデータセット。
EmployerAggregateRating(雇用主の総合評価)
Google の求人検索機能で表示される、多数のユーザーから収集した採用側組織に対する評価。
Event(イベント)
参加できる時間と場所が決められたイベント(コンサートや芸術祭など)のリストを表示するインタラクティブなリッチリザルト。
ClaimReview(ファクト チェック)
信用できるサイトが他者の主張を評価した結果の要約。
FAQPage(よくある質問)
特定のトピックに関する質問と回答の一覧を掲載したページ。
VideoObject、Event(家でのアクティビティ)
ユーザーが自宅でできるオンライン アクティビティを見つけることができるインタラクティブなリッチリザルト。
HowTo(ハウツー)
あるタスクを正しく完了するための一連のステップを、順を追ってユーザーに説明するもの。動画、画像、テキストを利用できます。
ImageObject(画像ライセンス)
Google 画像検索で、画像にライセンス情報が存在することを示す「ライセンス可」バッジを表示できます。画像ビューアにライセンス情報へのリンクが表示され、その画像の使用に関する詳細を知ることができます。
JobPosting(求人情報)
求職者が仕事を見つけるためのインタラクティブなリッチリザルト。Google の求人検索結果に、ロゴ、クチコミ、評価、仕事の詳細を表示できます。
EducationalOccupationalProgram(職業訓練【ベータ版】)
求職者や学生が、職業訓練プログラムを見つけるためのインタラクティブなリッチリザルト。
Restaurant(ローカル ビジネス)
Google ナレッジパネルに表示されるビジネスの詳細情報。営業時間、評価、経路に加え、予約や注文のアクションも表示できます。
Organization(ロゴ)
検索結果と Google ナレッジパネルに表示される組織のロゴ。
["MathSolver", "LearningResource"](数学の解法)
数学の問題のタイプと特定の数学の問題に関する詳細なチュートリアルを示す構造化データを追加することで、数学の問題について生徒や教師などをサポートできます。
Movie(映画)
映画カルーセルは、ユーザーが Google 検索で映画のリストを探すのに役立ちます(「2019 年のおすすめの映画」など)。各映画のタイトル、監督情報、画像など、詳細情報も表示できます。
Occupation(給与推定額)
Google の求人検索機能で表示される給与推定額情報。特定の職種における給与額の範囲や地域別の平均給与などが表示されます。
SpeakableSpecification(ポッドキャスト)
ポッドキャストを、再生可能なリンクと一緒に Google 検索に表示できます。また、その他の Google Podcasts プラットフォーム(Google Podcasts アプリや Google アシスタントなど)に表示することもできます。
Quiz(練習問題)
数学や科学の練習問題に構造化データを追加することで、教育について生徒、教師、保護者をサポートできます。
Product(商品)
商品に関する情報(価格、在庫状況、クチコミの評価など)。
QAPage(Q&A)
Q&Aページとは、1 つの質問の後にその質問に対する回答が続く、質問と回答の形式のデータが含まれているウェブページです。
(レシピ)
個別のリッチリザルトとして、またはホスト カルーセルの一部として表示されるレシピ。
Review(クチコミ抜粋)
クチコミサイトでのクチコミや評価からの抜粋。通常は、クチコミ投稿者による総合評価スコアの平均です。クチコミ抜粋には書籍、レシピ、映画、商品、ソフトウェア アプリ、ローカル ビジネスに関するものがあります。
(サイトリンク検索ボックス)
検索結果に表示されたウェブサイトを対象とする検索ボックス。
SoftwareApplication(ソフトウェア アプリ【ベータ版】)
ソフトウェア アプリに関する情報(評価情報、説明文、アプリへのリンクなど)。
SpeakableSpecification(読み上げ【ベータ版】)
テキスト読み上げ(TTS)を使用する Google アシスタント搭載デバイスで読み上げ可能なニュース コンテンツを、検索エンジンやその他のアプリケーションが識別できるようにします。
paywall(定期購入とペイウォール コンテンツ)
サイトのコンテンツをペイウォール コンテンツとして明示することにより、そのコンテンツが Google のガイドラインに違反するクローキングを行っていないことを Google が容易に識別できるようにします。
Video(ビデオ)
検索結果に表示される動画情報。動画の再生、動画セグメントの指定、コンテンツのライブ ストリームも可能です。
Googleが検索結果の表示にリッチスニペットとして表示可能な要素は約30種もあります。
サイトコンテンツにより最適な要素や、Webページのすべてで使える要素など、多種多様です。
実装する方法は、ここに違ってきますので機会をみてご紹介いたします。
構造化データのまとめ
セマティック・ウェブに必要
ユーザーエクスペリエンスを高め、検索の効率化を進めるGoogleに取って、セマティック・ウェブは有効なサイトだと考えています。今後意味付けされたサイトが優遇される時代も来るかもしれません。
構造化データはセマティック・ウェブを実現するために必要な手法です。コストをかけた結果リッチスニペットにも対応した検索結果で、顧客接点の拡大及びクリックの増加も期待でます。
ビジネスサイトであれば、サイトの目的を明確にし、ターゲットを明確にするためにも、コンテンツ概念もセマンティックに向けシフトする必要も有るそんな時代が来たのかもしれません。セマンティック・ウェブはサイト構成の見直しや、ターゲティングなども意識したコンテンツのアイデアに気づかせてくれるきっかけになります。
構造化データも顧客体験のため
自分のビジネスに最適な構造化データは何か、そのヒントもリッチスニペットをチェックすることで、対処すべき構造化データの要素も見えてきます。
これは、自社のセグメンテーションにあったコンテンツ作りに大変役立つアイデアを導き出してくれます。
Googleが如何にユーザー エクスペリエンス(UX)重視しているか、ユーザーが如何に楽しんでくれるか、心地よい体験をしてもらえるか、このためにGoogleは進化しています。
この進化に乗っていくことがサイト運営者のテーマと捉え、自社の最適化したコンテンツでGoogle同様ユーザーエクスペリエンスを意識したサイトを運営をしたいものです。