HTTP/2
HTTP/2を技術的に理解する必要はありません。サイト運営する上で、「HTTP/2は必要なもの」と認識して頂くことが重要です。
HTTP/2とは
レイヤー | TCP/IP | プロトコル |
---|---|---|
4層 | アプリケーション層 | HTTPS、HTTP、DNS、SMTP、POP3、FTP |
3層 | トランスポート層 | TCP他 |
2層 | インターネット層 | IP他 |
1層 | ネットワーク層 | Ethernet |
※インターネットのネットワーク構成
HTTP/2は、Webサーバーが通信の際用いるプロトコルの一つです。
ブラウザーなどのWebクライアントとWebサーバー間で、ブラウザーがWebページ(コンテンツデータ)を取得するためのプロトコル(通信手順)です。Hyper Text Transfer Protocol Version2の頭文字を分かりやすく表記してHTTP/2と表現されています。
Version2なので、Version1に相当するHTTP/1.0 HTTP/1.1や、初期バージョンのHTTP/0.9もあります。
ザクっと、中を飛ばして説明すると、Webクライアント(ブラウザー等)からWebサーバーに[URL]をつけて「要求」のためのアクセスします。
するとWebサーバーは、要求の有った、指定のURLの「コンテンツ」をクライアントに返します。(応答)。このようなリクエスト(要求)に対するレスポンス(応答)に必要な取り決めをプロトコルと言います。
実際には、もっと細かな通信手順が決まっていますが、大まかに説明するところの、リクエストに対するレスポンスは、Verの違いで特別変わることはありません。
この細かな部分の違いがVerの違いで、機能の違いだと考えてください。
HTTP/0.9
初期バージョンのHTTPプロトコルです。
基本的な、リクエストとレスポンスのやり取りがここから始まりました。
HTTP/1.0
リクエスト時にGETという方法で、要求内容が、むき出しの状態で安全性に不安がある、サーバーリクエスト方法から、POSTというリクエスト時のheaderに要求内容を埋め込む方式に対応したものが登場しました。
このころから、Webの安全性などもプロトコルを開発する際重要な要件となってきました。
HTTP/1.1
1997年Ver.1.1が制定された頃から、Webはどんどん普及する時代となり、サーバー環境もどんどん進化しVPSにも使われるヴァーチャルサーバーにも対応したHTTP/1.1が登場しました。
また、HTTP/1.1は、それ以前のプロトコルと違い大きな機能が追加されました。
Ver1.1以前は、1つのリクエストしか送れませんでしたが、今では当たり前のタブブラウザーの登場頃から、Ver1.1移行では同時に複数のリクエストが出来るようになりました。しかし、レスポンスは、従来通りリクエスト順に順番に返す仕組みのままでした。
Webの利用環境も広がりFormの設置やECなど、顧客からの個人情報を含む様々なデータをWebを通じてやり取りする時代になり、SSLでの通信内容の暗号化を使った手法も広まりました。
Webコンテンツも画像だけなくマルチメディアコンテンツも配信されるようになり、Web上のファイルをダウンロードする機会も増え、ブラウザーも複数を並列処理できる今の環境が確立されました。
HTTP/2
HTTP/2は、リクエストに対しレスポンスを返す基本機能は1.1と同じです。
従来の方法と大きく異なるのは、HTTP/2のベースとなるSPDY Protocol(Google開発)を用いることでデータをテキスト形式からバイナリー形式という圧縮された小さなデータを使えたり、TCPのコネクションをいくつも使う通信方法から、一つのTCPを使いまわし複数のリクエストとレスポンスが可能なストリームという概念を使った多重化処理を実現しました。
このことで、無駄なオーバーヘッド(TCPの接続開始までの手続きが省かれる)を無くし、通信を圧縮されたデータで行うことを可能にし、通信全体の速度を向上させる事を可能にしました。
なぜHTTP/2なのか
HTTPプロトコルは、増え続けるWebサイトや多様化するコンテンツを背景に進化してきました。ではなぜ今HTTP/2なのか?
モバイルとHTTP/2
回線帯域幅の狭い環境で用いられることが多い、モバイルデバイスでの利用拡大が要因と言えます。
SNSなどを含む多くのコンテンツは、画像を多く利用したWebコンテンツを使っています。これらのコンテンツを通信手順を大幅に改善する手段として、HTTP/2が登場しました。
実際、HTTP/2のストリームは、帯域の狭い環境に有効な機能を持っていますし、サーバーの不可も軽減できる機能を利用できます。
ただし、メジャーなブラウザー(Chrome FireFox等)の中には、非SSL環境下では、HTTP/2での通信手順を使えないものが有ります。これはTLS(SSLの後継)で暗号化鍵をつかった環境を併せて用いる必要が有ります。
HTTP/2は、Webサイトの表示速度の向上が見込める機能です。
モバイル時代に、ページスピードも考慮したモバイルファーストなサイトにはぜひ実装すべき機能だと言えます。
HTTP/2と常時SSL
Googleは、増え続けるサイトや検索インデックスの顧客サービスの向上に、多くの技術を提供しています。
HTTP/2のベースとなるSPDY Protocolは、Webの仕組みがリッチなアプリケーションなどにも活用される時代を見越し、Webの高機能高速化に必要な技術を提供しています。
HTTP/2もGoogleの多大な影響(貢献)をもって始まった流れです。HTTP/2の本当の力を発揮するためには、HTTP/2環境下で常時SSLによる暗号化通信がなければSPDY Protocolを活用できません。
HTTP/2は、Webサーバーのプロトコルですが、TLS(SSLの後継)は、Webサーバーの暗号化のためのセキュリティプロトコルです。
この双方を利用することで、HTTP/2は、最大限の力を発揮します。
HTTP/2にすると
HTTP/2は高速化
HTTP/2の技術を理化する事が無駄とは言いませんが、WebサーバーをHTTP/2で利用することで通信速度の向上が可能になる。この点さえ理化すれば運用上は問題ありません。
Webアプリケーションで顧客から情報を取得するサイト運用をする際、HTTP/2+常時SSLで安心・安全で高速な通信環境を提供できる。
サイトユーザーのベネフィットを提供し結果的にシェアの高いモバイルファーストにも役立つ要素だと言えます。
HTTP/2はモバイルファースト
現状のWebサーバーの仕様で、HTTP/2と常時SSLに対応できない環境もあります。
新たな環境への乗り換え時期と言えます。モバイルファーストを起点に現変するWeb関連の要素で、大きな影響力をもつホスティング環境、この見直しに必要な重要な課題としてHTTP/2と常時SSLを実装することを強くお勧めします。
最適なWeb基盤で、レスポンシブルでモバイルファーストなコンテンツを配信する。
コンテンツの整備に対し、VPSなどのホスティング環境はある意味コストは低いので、モバイルファーストとしての戦略的に有効な策となります。
HTTP/2は安心安全
現状のWebサーバーの仕様で、HTTP/2と常時SSLにすることで、Webアプリケーションだけではなく、お問合せにも安心安全な環境をユーザーに提供できます。
Webサイトの活用を前提にビジネスサイトを公開するなら、今どきのWebサイトとしてHTTP/2+常時SSLは必須要件と言えます。
安心安全で高速なWeb環境でモバイル対応のコンテンツでWeb利用率の高いモバイルユーザーをターゲットにした戦略こそ、Webコストを払う価値が有ると言えます。
HTTP/2でWebビジネスの可能性を追求してください。
HTTP/2のまとめ
HTTP/2はサイトを高速化する
HTTP/2登場の背景には帯域の狭いモバイルユーザーのシェア拡大が大きな要因となっています。
サイトに求められるモバイルファーストの整備にもHTTP/2化は高速化をもたらす有効な策です。折角コンテンツにコストをかけモバイルファースト化するのであれば、ホスティング・インフラのチューニングにも是非意識的に取り組んでください。
HTTP/3の時代も
Googleの検索サイトは、すでにHTTP/3で公開されています。
Googleは、サイト運用の近未来を提示しています。そんなHTTP/3の時代も遠からず到来すると思われます。だからこそ、HTTP/2に対応するページも検索インデックス登録の必須要件になる日も近い顔しれません。
Web取り巻く環境は日々劇的に進化しています。可能な対応をおろそかにすると、検索結果からあっさりと消え去る事も経験してきました。
そんな変化の速度が年々早くなっています。だからこそ、当社はコンセプトで課題を明確にすることが重要で、低コストで今どきのニーズに対応するWebサイトの運営に役立てて頂きたいと考えています。